営業費予算(sales expense budget)
営業費は、マーケティングに関する諸経費であり、販売員給料、販売促進費、顧客サービス費、市場調査費、旅費、交通費、交際費、減価償却費、事務消耗品費、物流費(運賃、包装費、保管料)、広告費などの多様な項目からなっている。
営業費の計画とコントロールが効率的であるためには、まず、営業費の発生する部署ごとに営業費の計画を立て、コントロールの責任をもつ必要がある。本社営業部や各地方営業所はそれぞれ営業費の管理単位をなしている。物流部門が別に設けられている場合は、物流費は物流部門で計画され、コントロールされる。プロダクト・マネジャー制や得意先別組織が設けられている場合は、製品別ないし得意先別に営業費の計画を立て、コントロールの責任をもつ。責任部署ごとに立てられた営業費計画は本社営業部長によって調整される。いずれにしても、営業費は、製品の売上原価を構成しないが、製品別の限界利益や売上利益率の分析の目的のためには、営業費を製品別に配分する必要がある。
営業費の計画が創造的であるためには、売上高と販売促進費、広告費などの関係についての需給分析や市場分析による情報を基礎にして、より有効な販売促進や広告の計画を探求し、評価、選択する意思決定が行われなくてはならない。販売計画と営業費計画は同時に作成され、予算委員会で同時に決定される性質のものである。営業費のコントロールの方法には、固定予算方式と変動予算方式との区別がある。前者の場合、販売実績と販売予算との間に乖離が生じても営業費予算は固定しているのに対して、後者の場合、固定費と変動費に分けて営業費予算を作成し、販売実績によって調整された営業費の予算と実績が比較される。後者の方がより有効的なコントロールの方式である。
なお、広告費に対しては、資本支出と同じように、割当予算(appropriation budget)の方式がとられる。




