安定配当政策(stable dividend policy)
株主への配当に関する政策決定を配当政策といい、それによって会社の成長や競争力維持に必要な社内留保が決まるとともに、配当政策のいかんは株価に影響し、会社の自己資本コストに影響してくる。高利益でも、配当性向(配当金÷利益)が高すぎると、社内留保は薄くなる。また、配当が不規則であり、減配や無配が時に生ずる会社の株価は、投資家の信用がないため、低価格に抑えられ、時価発行による増資を不利にし、自己資本コストを高めることになる。かくて、利益の変動に関わらず、配当の規則性と配当率の安定を重視する安定配当政策が次のような理由からとられる。
(1)安定配当によって、会社の株式は投機の対象により投資の対象となり、保険会社や銀行の投資対象となることによって、株式の市場性が広がり、株価は安定する。
(2)安定配当を続けることによって、投資家の信用を得、配当コストに比べて高株価が維持されるから、自己資本コストが安くなる。
(3)高利益の期には社内留保額を増やすことができる。
(4)一旦、配当率を上げた後は、減配は株価に悪影響を与える。・・・など。
とくに、高利益を生じた期には、その一部を株主に還元するとともに、安定配当政策を維持するために記念特別配当の形がとられる。株主配当には、現金配当と株式配当の区別があるが、後者は、現金の代わりに会社の株式を配当するものであるが、株式配当には所得税がかからない長所がある。株式の上場資格を得るために資本金を増やしたい場合、また高すぎる株価を抑えて株式の市場性を高めるために、株式配当が行われる。株式配当によって、1株式当たり利益や正味資産は減少し、株式の水割りを生ずるからである。




