経営成果分配(Betriebsertragsverteilung)の用語解説

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用語

経営成果分配(Betriebsertragsverteilung)

解説

成果分配とは、経営活動の成果、すなわち経営成果を資本と労働に分配することを意味している。これは、経営成果が資本と労働の協働によって獲得された成果であるという考えに基づいている。その際、成果分配は内経営的なものと、超経営的なものに区別される。経営成果とは何をいうのか。一般的には、成果は利潤と同義にみなされる場合が多い。従来から成果分配として利潤分配制が実施されるのはこのためである。これに対して、ドイツの経営学者ニックリッシュ(H.Nicklisch)は、経営共同体の概念に基づいて、経営成果を次のように規定した。
 経営成果=経営収入-原価(狭義の)
 原価=経営収入-(支払給料+支払賃金+経営者報酬+自己資本利子)
ここで、自己資本給付に対する対価が自己資本利子であり、支払給料+支払賃金+経営者報酬は労働給付に対する対価をなしている。利潤は、自己資本利子と経営者報酬とから構成される。経営成果は労働と資本の給付に対する対価とみなされる。ここに経営成果は利潤よりも広く、付加価値とも異なるが、それに近いものである。経営維持のためには、経営成果は各構成員の給付に比例して分配されなくてはならない。ニックリッシュは、公正賃金の原則を提案するが、賃金給料は、労働給付以前に事前に支払われるのであるから、労働給付が行われた事後に労働給付の価値を測定し、それに応じた労働成果を労働者に分配する必要を生じる。ここに経営成果分配を生じるのである。アメリカにおけるラッカー・プランやスキャンロン・プランはその代表的なものといえよう。しかし、それは、経営内部の成果分配であり、高収益企業の労働者に大いなる恩恵をもたらすこととなるが、そのために低収益企業との賃金格差が増大するという不公平が生ずる。
そこで、西ドイツにおいて大企業への富の集中を排除し、その財産を広範囲にかつ公平に分散することが要求されてきた。これが超経営的成果分配の提案である。これにはグライツェ(B.Gleitze)やダイスト(H.Deist)の提案がある。法人形式の超経営的社会基金がつくられ、そこへ大企業から毎年純資産の増大の一部が一定率で拠出される。労働者はこの基金に対して無償で一定の持分権を付与される。それは一定の凍結期間後自由に処分できる。しかし、この提案は利潤の分配の性格をもっているので、そのために不利益を受ける株主が資本投下を行わないという危険を有すると批判される。
上述の超経営的成果分配の実施にあたっては、成果がまず経営内部が前提となる。そしてなお残った部分が「成果の残余」あるいは「社会資本」と呼ばれる。これは経済社会全般に帰属するものであるからすべての労働者に分配されるべきものである。このように超経営的成果分配は、全労働者への成果の公平な分配をめざすものといえる。この種の思考は西ドイツに特有のものであるともいえよう。 
参照 ⇒【ラッカー・プラン】【スキャンロン・プラン

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