企業予算(business budgeting)の用語解説

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用語

企業予算(business budgeting)

解説

企業予算とは、将来の短期の一定期間における一企業の全体および各部門の経営目標、それを達成するための経営計画、方針、財務的数値を通して表現した総合的な期間計画をさしている。企業予算は一年以内を計画期間とする短期経営計画であり、長期経営計画や戦略的経営計画に対してその実行計画の性格をもっている。それは、企業全体および各事業部の経営目標、経営計画、方針をすべて財務数値によって統合した総合計画の性格をもっている。企業予算の作成を通じて、計画過程が行われ、各部門予算の総合を通じて、調整過程が行われ、予算と実績との差異分析を通じて、コントロール過程が行われる。企業予算は、管理用具として、計画用具であり、調整用具であり、コントロール用具をなしている。計画、調整、コントロールの各過程で、意思決定の用具として予算を編成し、調整し、実施していく活動を予算統制(budgetary control)または予算管理(budget administration)という。企業会計審議会の定義によれば、予算統制とは、「予算期間における企業の各業務分野の具体的な計画を貨幣的に表示し、これを総合的に編成したものをいい、予算期間における企業の利益目標を指示し、各業務分野の諸活動を調整し、企業全般にわたる総合的管理の要具となるものである。予算は業務執行に関する総合的な期間計画であるが、その編成過程は、たとえば製品組み合わせの決定、部品を自製するか外注するかの決定等個々の選択的事項に関する意思決定を含むことはいうまでもない」としている。予算が意思決定の用具として役立つためには、予算管理は各過程を経て行われる必要がある。
まず、計画用具として、企業全体および各事業部の利益目標を中心に、成長目標、安定性目標などの経営目標を設定する。他方で、販売予測を中心に環境予測を行い、販売予測を基礎として、暫定予算を作成する。予算が電子化されていれば販売予測をインプットすることによって直ちに暫定予算が得られる。暫定予算からの予想利益と目標利益との間にギャップが発見されるのが、一般的である。トップ・マネジメントは、このギャップを埋めるための実行戦略を決定しなければならない。その戦略を実行するために創造的な計画活動が行われ、それは、販売計画、生産計画、材料購入計画、在庫計画、経費計画、研究開発計画、組織人事計画、設備計画、資本計画にまで及ぶ。それらの予算化によって暫定予算の一次改訂が行われ、同じ過程を経て二次改訂が行われて、最終予算が決定される。これらの逐次的な過程において、予算は各部門の計画を調整する調整用具として機能する。また、予算の改訂過程を通じて、各部門経営者は、自己の部門計画と他の部門計画や企業全体の計画との関連を理解し、それらとの関連のなかで、各部門で創造的な計画活動が行われるところに、予算の特色がある。さらに、予算が実施に移されてから、トップ・マネジメントおよび各部門経営者は、実績と予算との差異を示した予実績報告書に基づき差異分析を行い、必要なコントロール手段をとって、経営目標の達成を実現していくのである。
予算が真に有効で、創造的な意思決定の用具となるためには、次の条件が必要である。
(1)不確実性への対処;予算は短期計画であるが、将来の不確実性は残されている。予算はすべて予測に基づいているが、予測を正確にするとともに、不確実性への対処が必要である。そのためには、上記で示した多段階的アプローチをとる必要がある。
(2)予算は創造的な意思決定に関わるものではない;予算はあくまで管理用具であって、意思決定自体に関わるものではない。予算の編成とその実施過程を通じて、販売や生産の戦略の代替案や経費削減の代替案を探求し、評価、選択する創造的な意思決定が行われなくてはならない。
(3)予算管理のための組織を確立する;(イ)トップ・マネジメントが予算統制をよく理解し、その実施に全面的支持を与えるようにする。(ロ)予算を実施する各部門経営者の権限と責任を明確にする。(ハ)予算にしたがって実績を確保する強いモチベーションが各部門責任者に生じるようにする。(ニ)予算スタッフは、企業の内外事情に詳しく、また予算の実施、運用、管理、実績比較についてトップ・マネジメントと各部門責任者を援助する。

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