現金収支予算(cash budget)
将来の一定期間における現金の収入と支出の時間的な流れを計画し、その間に生ずる過不足を調整し、流動性の維持とともに、資金の効率化をはかる資金計画を現金収支計画といい、キャッシュフロー計画ともいう。そのために作成される予算を現金収支予算といい、現金の収支の時間的流れを計画し、コントロールすることは、財務管理のなかで中心的な重要性を占めている。現金収支計画は、長期収支計画と短期収支計画に分けられるが、後者は将来の1年に対して月別あるいは四半期別に現金収支の時間的流れを計画するものである。それによって、現金の不足を生ずる月に対しては、銀行からの借入、手持有価証券の売却や売掛金等の早期回収などを計画し、現金の余剰を生ずる月に対しては、借入金の返済、有価証券への投資を計画する。また、現金収支計画によって、販売予算、製造原価予算、資本支出予算の見直しも行われ、過大な現金不足の発生が懸念されるときは、資本支出計画の延期を考慮する。
現金収支予算は、現金の収入の見積りと現金の支出の見積りからなっている。現金の収入の流れは、現金売上、売掛金および受取手形の回収、貸付金利子や配当収入などからなっている。売掛金および受取手形については、取引約定契約の支払い条件による回収時期、あるいは過去データから回収率、回収期間が見積られ、現金収入の時間的な流れが計画される。
次に、現金支出は、原材料の購入、商品の仕入、買掛金、支払手形の支払、人件費、諸経費、資本支出、社債・借入金の元利返済、固定資産税、配当金などからなっている。各支出の月別の時間的な流れを現金支出計画によって見積り、計画する。そして、現金収入計画と現金支出計画を結合して、現金収支予算を作成し、各月における現金の収支状態を計画し、もし、現金過不足を生ずる月があれば、借入金の調達あるいは投資の延期などを事前に計画し、流動性の維持とともに、資金の効率化をはかる。現金収支予算は、企業予算体系の一環として作成されるものであり、現金収入計画は販売予算から、現金支出計画は、原材料購入予算、商品仕入予算、直接労務費予算、製造間接費予算、営業費予算、一般管理費予算、および資本支出などから作成される。
参照 ⇒【企業予算】




