コア・コンピタンス(core competence)
企業内部で培ったさまざまな能力のうち、競争のための手段として最も有効なものをいう。ゲイリー・ハメルとプラハラッドが「顧客に対して、他社には真似のできない自社ならではの価値を提供する、企業の中核的な力」と定義した概念であり、持続的に自社に競争優位をもたらす源泉となる企業の中核的な能力をさす。具体的には、自社独自の技術やシステム、または得意とする専門分野などをさすことが多い。近年では、目に見えない知的資産やコーポレート・ブランドもこの範囲に入ると考えられている。
企業戦略においては、(1)ドメイン(事業を展開する領域)、(2)コア・コンピタンス、(3)資源配分(経営資源の全体的な最適化)の三つが重要となる。企業のコア・コンピタンスには、ブランド力、技術開発力、物流ネットワーク、生産方式、共通の価値観など、さまざまなものがある。例えば、スポーツシューズ・メーカーのナイキの場合、他社の製品と比べて技術面、品質面で大きな差がない場合でも、消費者がナイキのシューズに対して高い価値を感じるのは、ブランドというコア・コンピタンスがあるからである。
コア・コンピタンスを見極める場合、(1)模倣可能性(Imitability)、(2)移動可能性(Transferability)、(3)代替可能性(Substitutability)、(4)希少性(Scarcity)、(5)耐久性(Durability)の5つの視点について考える必要がある。どの要素が有効かは市場環境や競争環境によっても異なり、また、いったん築いた競争優位も、市場環境の変化とともに陳腐化する恐れがあるため、継続的な投資やコア・コンピタンスの再定義、新たな能力の育成などの努力が必要である。




