企業戦略(corporate strategy)の用語解説

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用語

企業戦略(corporate strategy)

解説

企業の経営目的を達成するために、環境の変化に企業を全体として適応させるための経営戦略であり、本社レベルで作成され、トップ・マネジメントによって決定される。製品分野が多角化している多角化企業では、事業部制組織がとられるが、その場合、企業戦略と事業部戦略が区別される。後者は、各事業部段階で作成され、既存の製品市場分野における競争戦略を主な内容としているのに対して、前者は、企業全体の環境適応のための経営戦略であり、まず、各事業分野についての成長性-占拠率マトリックスの作成からはじめられる。それは、各事業分野の成長性(タテ軸)と自社の占拠率(ヨコ軸)のマトリックス(四分割)をなしている。マトリックスの左上をA領域とする。A領域は有望部門であり、産業の成長性も高く、自社の占拠率も高く、収益性も高いので、資源割当において優位が与えられなくてはならない。左下をB領域とする。B領域は安定部門であり、産業の成長性は低いが、占拠率が高いために、収益性は高いが、追加投資を余り必要としない。その現金収入の余剰は他の新しい事業分野に投下すべきである。右上をC領域とする。C領域は不安定部門であり、産業の成長性は高いが、自社の占拠率は低く、収益性も低い。追加投資か撤収かの決定、あるいは競争戦略の変更の決定が必要とされる。右下をD領域とする。D領域は衰退部門であり、産業の成長性は低く、自社の占拠率も低い。そこでは、起死回生の戦略、合併、買収の戦略、あるいは撤収の戦略の決定が必要とされる。実際には、産業の成長性として、成長率だけでなく売上規模、収益性、市場の多様性、技術革新度、社会経済的環境などを考慮する必要がある。また、占拠率は自社の競争的地位をあらわす一つの指標であり、そのほかに製品ラインの広さ、製品比較、配給経路、販売効率、技術開発力、付加価値、価格競争力などをも考慮する必要がある。
このような成長性-占拠率マトリックスを現状と将来予測について作成し、将来の外部環境の予測を行い、その結果企業の経営目的が達成されない場合、企業の成長ギャップや利益ギャップを埋めるために、次のような種類の企業戦略が必要とされる。
(1)多角化戦略;企業の成長ギャップを埋めるために既存の事業部門に属さない新しい事業分野へ多角化する戦略を作成する。
(2)資源割当戦略;将来の成長性のある事業部門に対して資本資源、人的資源の優先的割当を行い、非成長性の部門から投資を回収する戦略を作成する。
(3)競争戦略の変更;既存の事業部門における競争戦略の変更によって、企業の競争的地位の改善をはかる。
(4)衰退事業強化戦略;衰退事業の起死回生をはかるために、合併、買収、多角化の戦略を作成する。
(5)撤収戦略;不安定部門や衰退部門の撤収戦略は、当該事業部で立てることは困難であり、本社レベルで客観的な立場から策定する必要がある。
以上のほかに、企業戦略としては、財務戦略、研究開発戦略、人材開発戦略、組織戦略などが重要である。 
参照 ⇒【競争戦略

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