カウンターベイリング・パワー(countervailing power)の用語解説

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用語

カウンターベイリング・パワー(countervailing power)

解説

拮抗勢力という。経済学者のガルブレイス(J.K.Galbraith)によって主張された一つの経済理論であるが、それは産業民主主義の一つの理論でもある。現代の経済社会は、資本家、労働者、消費者、政府などの各利害集団から構成されているが、一つの集団が過度の経済的権力を持つときは、それに対するカウンターベイリング・パワーとして他の強力な集団がそれに対抗し、経済的権力のバランスをとることによって、一つの集団による他の集団の搾取を防ぐことができるとする理論である。
多くの業界が寡占状態に入り、管理価格体制によって価格競争が後退する傾向があるのに対抗して、大量販売店が寡占企業に対するカウンターベイリング・パワーとして登場してきている。スーパーストア、スーパーマーケットやチェーン・ストアなどの大量販売店は、低価格で多数の消費者を引き付け、巨大な購買力ブロックを形成し、寡占企業に圧力をかけ、価格割引や有利な取引条件を獲得し、さらに自社生産や流通業者ブランド政策をとることによって寡占メーカーに拮抗している。消費者は、寡占企業の経済的権力に対抗して、消費者運動(consumerism)を展開し、欠陥商品を告発する行動を起こしている。
しかし、消費者は不特定多数であり、組織力が弱いため、経済的なカウンターベイリング・パワーとしては十分な機能を果たしているとはいえないが、消費者は投票権者として政治に影響を与える立場にある。政治的なカウンターベイリング・パワーによって独占や寡占の経済的権力に対抗しているが現実である。
独占禁止法を通じて、独占や競争制限に導く合併の規制、品質の不当表示などの不公正取引の制限、再販売価格維持の制限などを行わせ、また製品の安全基準などの消費者保護行政を行わせることによって、消費者は間接的にカウンターベイリング・パワーとして機能し、大企業による消費者搾取を防止している。カウンターベイリング・パワーの理論は、マルクスの労働搾取説に対する現代における現実的な批判としての意味を持っている。

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