環境予測(environmental forecasting)
企業の内部および外部の環境を分析して、将来の変化を予測することを環境予測という。環境分析(environmental analysis)ともいう。戦略的経営計画の作成において、経営目標の設定についで、環境予測が行われる。経営目標と環境予測とのギャップは、問題、機会、あるいは脅威として認識される。このギャップを埋めるために、経営戦略の探求が行われる。経営戦略のアイデアは、環境予測から得られた情報に基づくものが多い。環境予測は、経営戦略のアイデアの発生源でもある。
企業の環境は、外部環境と内部環境に分けられる。前者は、さらに一般環境(経済環境、技術環境、社会環境、国際環境など)とタスク環境(マーケット環境、競争環境など)とに分けられる。内部環境は、財務分析、生産分析、技術分析、従業員分析や設備分析などに分けられる。環境予測は、次のような体系をもっている。
〔外部環境〕
企業の外部環境について、次のような分析と予測を行う。
A.一般環境の予測
(1)一般経済環境の予測;今後の一般経済環境の予測を行う。これにはGDPの予測を含む。
(2)自社製品の市場予測;需給状況の予測と自社製品の売上高に影響する技術環境、政治的環境、社会的環境などの変化を予測する。
B.タスク環境
(1)競争環境の予測;激しい競争に打ち勝つためには、自社の長所と短所について客観的な分析を行うことが重要である。主要な競争企業の競争戦略を調査し、自社の競争戦略との違いを分析する。
(2)マーケット環境の予測;各製品市場における自社の過去実績の分析とマーケット環境を分析し、その将来の変化を予測する。①製品ラインの分析;(イ)各製品の実績(売上高、利益など)の分析、(ロ)対象となる顧客の分析、(ハ)主要な競争企業の製品との比較、(ニ)代替品との比較、(ホ)製品改善の可能性の検討、(ヘ)新製品に関する提案の検討等。②市場分析;(イ)将来の売上高の変化をもたらす重要な市場要因を分析する。新製品の成否、マーケティング組織、広告、および競争の圧力などの要因である。(ロ)進入すべき新市場を探求する。たとえば、新しい販売地域や新しい顧客層を検討する。
〔内部環境〕
企業の内部環境について、次のような分析と予測を行う。
(1)財務分析;①利益状態、②運転資本、③現金状態、④財務方針が株式の市価に及ぼす影響、⑤将来の資金調達の見込み等。
(2)生産分析;①工場および設備の状態、(保全と減価償却の状態など)、②生産能力と生産性、③操業度、④生産性向上、⑤原価低減、⑥生産余剰能力の利用、⑦設備拡張計画の予定等。
(3)技術分析;①研究開発の実績、②研究開発の効率向上のための提案等。
(4)従業員分析;①雇用状態と将来の必要性の分析、②管理者の現状能力と今後の課題(能力欠陥)の分析、③販売員の現状能力と今後の課題(能力欠陥)の分析、④技術陣の現状能力の今後の課題(能力欠陥)の分析、⑤スタッフの現状能力の今後の課題(能力欠陥)の分析、⑥従業員の態度分析等。
(5)設備分析;①新しい事業活動に対処するための現有設備の評価、②機械取替方針と機械取替えの必要性の検討等。




