資本予算(capital budgeting)
資本予算あるいは投資決定は、次の三つの過程あるいはステップよりなると考えることができる。
(1)資本に対する需要;これは来期全体としてどれほどの資金が投資に必要かということであり、こうした「要求」は、見込まれる収益性によって測定されなければならない。
(2)利用可能な資金の供給;どれほどの資金が会社全体として利用可能であるかということである。そのためには、内部および外部の資金源について調達の有利性とその時期を決めなければならない。
(3)資金割当(capital rationing);これは、利用できる資金を代替的な投資案の間にどのように割当てるかということである。これは、投資の規模とその資金調達の構成すなわち資本構成の決定に関連する。しかも、それはすべての投資対象が確保しなければならない最低目標利益率すなわち資本コストの決定をも含んでいる。
第一のステップは、個々の投資計画案の収益性を測定することになるが、第二および第三のステップは、資金供給可能量と資金割当ての測定と実行の過程である。後者はいずれも投資案全体についてそれぞれ検討しなければならない。なぜならば、投資対象への資金の充当は、案件ごとに割当てるものではなく、投資量全体すなわち設備総額に対する資金の割当てと源泉別の調達割合が検討されることになるからである。各投資案件が許容されるための条件として、最低目標利益率すなわち資本コストを投資の利益率が超えることが必要であるが、資本コストは投資案件ごとに相違するのでなく、すべて一律の資本コストで投資案はふるいにかけられる。ということは、各投資対象は、企業の利用可能な資金総量をめぐって資金割当てを受けることになるためである。
以上のように考えてみるときに、資本予算あるいは投資決定のステップは、三つではなくて二つになる。一つは、個々の投資案の経済性の評価であり、もう一つは、資本コストの決定とそれによる投資案のふるい分けの過程である。もとより、第一のステップは第二の資本コストの決定を前提としているから、この両方のプロセスは理論的には同時に決定されなければならない。




