事業部制組織(divisionalized organization;divisionalization)の用語解説

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用語

事業部制組織(divisionalized organization;divisionalization)

解説

トップ・マネジメントの下の部門組織を製品別、地域別あるいは得意先別に部門化し、独自の利益責任をもつ自主的な経営単位として事業部(operating division)を設け、これに対して分権化を行う分権管理組織を事業部制という。アメリカでは、ゼネラル・モータズ(自動車)、ゼネラル・エレクトリック(電機)、デューポン(化学)など早くから事業部制を採用し、わが国では松下電器(現、パナソニック)や神戸製鋼が1945年(昭和20年)代に事業部制を採用したが。1957年(昭和32年)頃から積水化学、三菱電機をはじめとして、電機、機械、造船、化学、食品などの業界を中心に事業部制は急速に普及した。
事業部制には、製品別事業部制、地域別事業部制、得意先事業部制、部品事業部制などの各種の形態がある。事業部制組織をとると、会社の組織は、(1)トップ・マネジメント、(2)本社スタッフ部門、(3)各事業部の三つの部門から構成される。各事業部は、たんに売上高責任やコスト責任ではなく、独自の利益責任をトップ・マネジメントに対して負う利益管理単位、すなわちプロフィット・センター(profit center)をなすことを第一の特徴としている。次に、その利益責任を果たすために必要な生産、営業、管理、製品開発などの職能を事業部に統合し、事業部は自己完結性をもち、他部門に対して独立性をもつことを第二の特徴とし、そして各事業部に対して大幅な分権化が行われ、事業部は分権管理の単位をなしてくることが第三の特徴としている。本社スタッフ部門は、各ライン事業部に対して専門的な助言とサービスを提供するスタッフ任務に徹し、業務手続や方法の標準化を避け、ライン・スタッフ組織を確立するところに、事業部制の第四の特徴がある。トップ・マネジメントは、企業戦略、組織計画、経営者育成、事業部の業績評価、設備投資などの資源配分を行うことを任務とするのが、第五の特徴をなしている。
事業部制の長所として、(1)事業部の客観的な利益が事業部のあらゆる意思決定の基準となるために、意思決定の合理性が高められる。(2)各事業部は自己完結性と独立性をもつために市場や技術などの環境変化に対して機敏な適応力をもつ。(3)目標がオペレーショナルであり、自己完結性をもち、事業部長に決定権限が委譲されているために、新製品開発などに革新性が高い。(4)社内振替価格と忌避宣言権の原則によって市場価格経済の調整メカニズムを企業内部に導入できる。などがある。社内振替価格は、事業部間の社内取引に適用される振替価格であり、それを競争価格に基づいて決めることによって、事業部の能率は競争市価によって自動的にチェックされる。事業部のコストが競争市価より高ければ、赤字になるから、事業部としては利益責任を果たすためには、トップの指示がなくても、自発的に能率の向上の努力を行うことが要請される。忌避宣言権の原則とは、部品を社内の事業部から購入するよりも社外から購入したほうが安い場合、社内取引を忌避して外部から部品を購入する権限をいい、それは市場価格経済の調整メカニズムを有効に作用させるための管理原則をなしている。
経営規模と事業部制との間には必ずしも関係がなく、(1)企業が多角化戦略をとり、市場や技術が多様化している場合、(2)技術や市場の環境が不安定であり、変化の激しい場合、事業部制はとくに有効な組織をなしている。これに対して、鉄鋼、電力のように、製品が標準化され、安定した市場の確保と操業度の維持が至上命令をなすような企業では、集権的な職能別組織がとられる。

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