常務会(executive council)
大企業、特に上場会社においては取締役の員数が10名を超える場合も少なくなく、また、地方や海外に取締役を常駐させている会社も多く頻繁に取締役会を開催することは、事実上困難である。このため必然的に法定機関である取締役会とは別に任意機関として設けられているトップ・マネジメント組織をいう。実際の名称は、常務会、経営会議、常勤役員会、専務会など様々であるが、一般にこれらを常務会(制度)と総称する。通常、それは社長、副社長、専務、常務のいわゆる上級・役付きの常勤取締役で構成されている。この会議では、取締役会で形式的に決定する事項を実質的に討議することから、日常的経営活動の基本事項に至るまで、経営上の重要な意思決定のほとんどすべてを行っている。このような会議が設けられた最大の理由は、第二次世界大戦後に法定機関となった取締役会が月1回程度しか開催されず、経営者機能の遂行にとって十分に機能しないこともある。このような取締役会の非機動性の補完等を理由に設置された会議体が常務会である。常務会の性格には、決定機関、協議機関、諮問機関の三種がある。決定機関としての常務会は、社長を含む構成員の多数決で決定を下すものであるが、これはほとんど存在しない。協議機関および諮問機関としての常務会は、社長が常務会で協議し、あるいは常務会に諮問して決定を下すものである。社長の決定権は常務会の審議に拘束されないが、現実には審議をリードしつつ尊重する運営がなされる。一方でこの常務会の存在は、必然的に取締役会の形式化・形骸化をもたらすこととなり、また迅速な業務執行といっても、常務会が法定の制度でないため、常務会で事実上決定されたものであっても、現実に執行するためには、形式的にせよ取締役会の承認が必要となる。ゆえに、常務会の設置は、必ずしも機動性・迅速性を十分に満足させるものとはならない。しかし、社長の強大な力を支える効果を発揮していることも事実である。
なお、監査役は、その業務監査の必要上調査のため常務会に出席することを要請し、承認を受けて出席することはできるが、当然に出席する権利もなければ義務もない。




