創業者利得(Grundersgewinn)の用語解説

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用語

創業者利得(Grundersgewinn)

解説

会社の自己資本の他人資本化の過程を通じて創業者株主に生ずる資本利得(キャピタル・ゲイン)を創業者利得という。たとえば、会社の発起人すなわち創業者が1,000万円(額面50円、株数20万株)の出資で、会社を設立し、事業に成功し、80%の資本金利益率を得たとする。1株当たり利益は、40円となる。資本還元率を10%とすれば、資本還元率で1株当たり利益を資本還元した価額400円が株式の資本価値をなしており、それは株式の時価にほぼ等しい。創業者がその持ち株を全部売却すれば、額面と株式時価との差額7,000万円{(株式時価400円-額面50円)×株数20万株}の創業者利得を生ずる。このような創業者利得は、高利潤の株主資本(自己資本)が利子付きの債権者資本(他人資本)の性格に実質的に転化することによって生ずるものである。
たとえば、会社は株式Aを発行し、払い込みによって貨幣G1が得られる。G1は、生産手段Pmと労働力Aという商品Wの購入に充てられる。生産過程Pを経て、余剰価値をもった生産物W'が生産され、それは市場に販売され、G'の貨幣資本が獲得され、それは再び資本の循環過程に再投下される。このように、株主資本は、利潤を生むために資本の循環過程を継続しながら、他方において株式は証券市場において時価で売買される。株式時価で売却すれば、G2の貨幣資本が得られるが、G2とG1との差額であるgが創業者利得をなすのである。証券市場で株式を時価で購入するのは一般投資株主であり、投資株主は経営に対する発言権を持たないし、株主利得は、配当利回りプラス値上がり利益であり、利子プラス危険料にすぎない。したがって、実質的には、他人資本である。かくて、証券市場で株式が時価で売買されることによって、自己資本が他人資本化する過程で創業者利得を生ずるのである。
今日は、会社が時価発行によって巨額の増資プレミアム(発行時価-額面)を得て、それは資本剰余金を形成して配当コストのかからない自己資本を形成しているが、それはここでいう創業者利得に相当している。創業者利得の源泉は、企業の超過収益力であり、それは資本化したものが創業者利得をなしている。したがって、新規事業や新製品開発、新生産方式の導入、新原材料や新市場の開発などの企業者職能の発揮によって、会社が超過収益力を得る場合、時価発行を通じてその超過収益力を資本化し、多額の創業者利得を資本剰余金として集積することができるのである。それはあくまで資本利得であるから、それ自体を配当に回すことはできないが、配当コストのかからない自己資本であり、会社に資金コスト上の有利性を与えるものである。

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