市場占拠率(market share)
特定の製品の業界全体の売上高に対する自社の売上高の割合を市場占拠率という。トップ・メーカーの売上高に対する自社の売上高の割合によって測定する場合もある。市場占拠率は、特定の製品市場における企業の競争的地位をあらわす一つの指標をなしている。企業の市場占拠率が高くなるにしたがって、企業のROI(使用総資本利益率)は高くなることが多くの実証研究で立証されている。
市場占拠率の増大によって、使用総資本回転率が高まるというよりも売上高利益率の上昇が顕著である。その理由として、第一に、規模の利益があげられる。規模の利益は、生産規模だけでなく、購買およびマーケティングの規模の増大による利益が大きい。市場占拠率の高い企業ほど、対売上高材料費比率〔(購入部品費+材料費)÷売上高〕が低いが、それは大量購入の利益のほかに、納入業者に対する交渉上の優位性や協力工場の系列化の利益によるものと考えられる。また、市場占拠率の高い企業ほど、対売上高販売費比率(販売費÷売上高)が低いが、それはマーケティングの規模の利益をあらわしており、販売経路の系列化、より有効なマス広告媒体の利用などによる利益である。他方で、市場占拠率の高い企業ほど、対売上高研究開発費比率(研究開発費÷売上高)が高いが、それによって高品質の製品を開発し、それに対する高価格政策をとり、付加価値率が高いことが、売上高利益率を高め、ROIを高める原因をなしている。最後に市場占拠率の高い企業ほど、生産、販売、購買、物流、研究開発、組織、人材教育などの面で、経営管理の合理性が高いことが、市場占拠率を高める根本的原因であるとともに、ROIを高める結果をもたらしている。




