スタッフ部門(staff department)
ライン・スタッフ組織の下で、生産、営業などのライン職能を担当するライン部門と、企画、人事、経理、技術、資材などのスタッフ職能を担当するスタッフ部門に分かれる。さらに、ライン内スタッフと称して、営業部門や生産部門の内部でも、ライン職能に対して営業企画部や生産管理部などのスタッフ部門が設けられる。経営の科学的手法が進歩し、環境の不確実性が増大するにつれて、スタッフ部門は増える傾向にある。スタッフ部門は、特殊化(専門化)されたサービス職能または管理職能を担当する専門家によって構成されるが、命令統一の原則から、スタッフ部門はライン部門に対しては助言とサービスを行う権限をもつにすぎず、それに対する指揮命令権をもたない。スタッフ部門は、次のような役割を担っている。
(1)専門的・専門化した援助と共通サービスの提供;近代経営において、すべての管理段階における経営者は、いろいろの複雑な専門的な問題に当面する。経営者が有効にマネージしていくためには、新しい管理手法や技術を経営に適用していかなくてはならない。そこで、各段階の経営者は効果的な経営を行っていくために、スタッフの専門的な援助を必要とするのである。
(2)適切な牽制とバランスの維持;健全な経営を行うためには、各人や各部門に割り当てられた権限の間で、一種の内部牽制が行われる必要がある。たとえば、営業企画部の立てる販売予測と営業のラインの第一線から積み上げられる販売予測とを照合することによって、販売予測の客観性に対しての内部牽制が行われる。さらに、営業ラインが締結する販売契約に対して、信用調査スタッフが審査権を持つことによって、信用供与の方針の一貫性を保ち、バランスを確保することができる。
(3)責任の一元性の維持;最終結果に対する第一次責任は、ライン部門にあるとするのが、ライン・スタッフ組織の重要な原則である。そのためには、スタッフ部門は、助言とサービスの権限しかもたないとされる。たとえば、信用調査部が審査のうえ承認して信用供与を与えた得意先が不良債権になった場合、その結果に対する第一次的責任はライン部門にあり、スタッフ部門は書類上の審査の技術的内容についてのみ責任を負うのである。販売契約の締結に当たるラインが第一次的責任を負うことによって、不良債権の発生を防ぐことができる。
スタッフ部門には、サービス・スタッフや管理スタッフの区別がある。




