垂直的統合(vertical integration)の用語解説

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用語

垂直的統合(vertical integration)

解説

同じ製品に関連する異なる生産段階や流通段階を統合することをいう。それには、(1)前進的統合(forward integration)と、(2)後進的統合(backward integration)がある。前者の例として、アルミの製造会社がサッシ、台所用品や自動車のアルミ部品などの2次加工段階への進出や、2次加工段階における既成の企業を統合する場合である。後者は、原材料段階を統合するものであり、その例としては、アルミ製造会社がボーキサイト鉱の採掘に進出する場合である。鉄鋼一貫生産は、後進的統合のもっとも典型的な例である。前進的統合は、需要を開発するために、あるいはマーケット・シェアを維持して、安定した需要の流れ確保する目的をもって、多くの業界で行われている。後進的統合は、部品や原材料の供給の確保、一貫生産の利益、中間利潤の排除などを目的として行われる。垂直的統合は、さらに、分岐的統合(diverging integration)と輻合的統合(converging integration)の二つの形態に区別することができる。
分岐的統合は、化学工業におけるように同じ原材料の工程から複数の製品が生産される場合、それらの工程を一つの企業の管理組織のもとに統合する方式である。輻合的統合は、自動車や電機メーカーにみられるように、多数の部品が集合され、その組立によって製品が生産される場合、組立企業が部品の生産工程を同一の企業の管理組織のもとに統合化する方式をさしている。垂直的統合は、各生産段階の間に介在する運搬距離、時間、在庫、エネルギーのロスや中間利潤を削減および排除することが期待できる。しかし、垂直的統合は、次のような不経済をともなうことに注意を要する。
 (1)もし、企業の投資の規模を一定とみるならば、垂直的統合を行えば、各生産段階の大規模生産の経済は減殺されることになる。垂直的統合は、企業全体の生産規模の増大をもたらすが、必ずしも各工程の生産規模の増大をもたらさない。
 (2)後進的統合の場合とくにそうであるが、技術革新によって垂直的統合の経済が、一挙に不経済化してしまう危険がある。技術革新によって、原材料の革新や部品の生産方法の革新が行われるならば、垂直的統合のために投資した資本はロスになるからである。
 (3)各生産段階が市場や技術を異にし、複雑多岐にわたるとき、各生産段階の能率やコストを中央の集権管理によってコントロールすることは困難であり、管理上の不経済が生じてくる。

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