付加価値分析(added value analysis)
従業員1人当たり付加価値を付加価値生産性という。高賃金水準を達成した日本の企業にとって、収益性目標とともに、付加価値生産性は重要な経営目標となっている。付加価値生産性の諸要因を分析して、各諸要因について付加価値生産性計画を立てる基礎にしていく分析活動を付加価値分析という。それは、次の二つの式によって行われる。
(1)1人当たり付加価値=付加価値÷従業員数=(有形固定資産額÷従業員数)×(売上高÷有形固定資産額)×(付加価値÷売上高)
〔 労働装備率 〕 〔 設備回転率 〕 〔 付加価値率 〕
この式によれば、1人当たり付加価値は、(1)労働装備率、(2)設備回転率、(3)付加価値率の三つの要因によって決められることになる。労働装備率は、従業員が機械装備によって装備されている度合いを示している。鉄鋼、化学などの資本集約型産業は、労働装備率が高く、1人当たり付加価値は高い。食品、雑貨などの労働集約型産業では、労働装備率が低いため、1人当たり付加価値は低い。同じ産業でも、生産の機械化、自動化を進める企業は、労働装備率は高いことはいうまでもなく。設備回転率と労働装備率の積は、設備投資効率をあらわしている。設備回転率は、操業度によって決められてくる。付加価値率は、付加価値の高い製品構成をとることによって高められる。そのためには、製品開発、高度組立、ファッション化、システム化製品の開発などの知識集約化の経営戦略がとられる。
(2)1人当たり付加価値={売上高-(原材料費+外注加工費+部品購入費+諸経費)}÷従業員数
この式からは、次のような付加価値計画が作成される。①1人当たり生産高ないし売上高の増大計画、②人員の削減計画、③原材料費の削減計画、④外注加工費の削減計画、⑤部品購入費の削減計画、⑥諸経費の削減計画
付加価値生産性の向上に対して労使の協力を確保するために、付加価値の一定比率を従業員に還元する付加価値分配制度が多くの中小企業でとられている。
参照 ⇒【成果分配制度】




