不完全市場(imperfect market)
商品を選択する消費者(産業用、家庭用)が市場に対して完全な知識や情報をもたないために、市場法則が完全に作用しないことをさしている。一つの企業が技術革新によって、どの競争企業よりも安い生産費で一定の商品を供給できるようなった場合、完全市場の条件の下では、その企業は全市場を掌握することが予定される。実際には、その企業は一定の市場占拠率以上に売上高の拡大をはかると、販売費が比例以上に増加し、収穫逓減の法則が作用してくる。それは、消費者が商品の合理的な選択に必要な完全な情報をもたないからであり、それを不完全市場という。それは、経営者の能力の限界とともに、最適規模を説明する一つの根拠をなしている。すなわち、一定の規模まで規模の増大によって費用は逓減するが、それを超えると管理能率の低下と販売費の増加によって費用が逓増してくるのであって、その一定の規模の点が最適規模とされる。さらに、不完全市場であるために、各地方に多くの中小企業が存立できるのであって、不完全市場は中小企業の一つの根拠ともされる。しかし、近年では、高速道路などの交通機関の発達、消費者の教育水準の向上、消費者運動による啓蒙、コンピュータによる情報革命、テレビ、新聞雑誌などのマスコミの発達によって、不完全市場は次第に取り除かれる傾向にある。




