本社共通費の配賦基準の用語解説

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用語

本社共通費の配賦基準

解説

事業部制組織の下で、本社の各スタッフ部門は、各事業部に対して共通のサービスを提供する任務をもっている。共通のサービスの提供によって生ずる諸経費をここで共通費(common cost)という。研究開発費、資材購入費、教育訓練費、広告宣伝費、情報システムの諸経費などが本社共通費に含まれる。本社共通費は一定の配分基準によって、各事業部に配分されることによって、各事業部の純利益が算定される。本社共通費の配分基準としては、(1)一括配賦の方法と、(2)用役別配賦の方法がある。前者は、本社共通費を一括して、一定の画一的な基準でもって各事業部に配賦する方法である。その配賦基準として、①売上高(または付加価値)、②従業員の数または給与総額、③使用総資本、④前3者の総合係数等が用いられる。後者は、本社の各部門の提供する各種の用役別に一定の賦課基準を定め、その基準によって各事業部の用役使用量に応じて、本社共通費を配賦する方法である。
本社共通費の配賦にどのような基準をとるかは、事業部の利益管理に微妙な影響を与える。売上高基準で、本社共通費を一括配賦する方法の下では、各事業部の売上高増大の努力を抑制するという逆機能を生じる。これに対して、従業員数基準で本社共通費を配賦すると、各事業部は人員削減努力を行うという管理(経営)効果が出てくる。配賦基準の選択にあたって、このような管理効果を考慮する必要がある。しかし、一括配賦にどのような基準を用いるにせよ、それはある程度恣意的なものとなるので、できるだけ用役別配賦の方法で各事業部に直接に配賦することによって、事業部の利益責任をより明確にすることができる。たとえば、特定の事業部のために、情報システム部がシステム開発した場合、その開発費はその事業部に直接に配賦する。用役別配賦のできない本社共通費に対して一括配賦の方法を適用する必要がある。
その場合、会社全体の長期的利益と事業部の短期的利益の調和を考慮することが、重要である。本社共通費には全社的な立場から政策的に必要とされる事業部新製品の研究開発費や市場開拓費なども含まれる。事業部の手がける新製品の提案のなかで、事業部の短期的利益にはプラスしないが、会社の長期の将来のために有望なものについては、本社トップ・マネジメントの決定を経て、その新製品の開発費を事業部に費用計上しないで、本社共通費として予算化することによって、事業部の短期的利益と会社全体の長期的利益との調和をはかることができる。

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