プロジェクト・マネジャー(project manager)
プロジェクト・チームのリーダーであり、管理責任者をいう。プロジェクト・マネジャーは、(1)プロジェクト計画を作成し、これを遂行する一貫した責任をもち、(2)プロジェクトに関する技術上、管理上の問題を決定する中心点をなし、(3)資源の使用や配分についてライン経営者と同等の権限をもち、(4)プロジェクトのコスト、進行と完成に対して一貫した責任をもつ人である。製品開発その他、会社の運命を左右するプロジェクトは多いが、プロジェクトの成否は大きくプロジェクト・マネジャーの能力とその責任感にかかっている。それに必要な資格要件として、次のものをあげることができる。
(1)企業者的能力;一つのプロジェクトを完成させるには、条件の変化に対して臨機の処置が必要であり、創造的な問題解決が要請される。プロジェクトを予定どおりに最小のコストで完成させるという強い責任感が必要であり、そのためにはプロジェクトの各メンバーの自発的な協力と信頼感を得られるリーダーシップの能力とともに、各関係部門と交渉する能力を持たなくてはならない。さらに、プロジェクトの完成によって顧客の真の満足を得ようとする責任感も必要である。かくて、プロジェクト・マネジャーは、一つの企業の社長のような企業者的能力を持つ必要がある。
(2)管理能力;単に企業者的センスを持つだけでなくて、プロジェクト・マネジメントの各種の管理技術(例、プロジェクト予算、要員計画、PERT)に対して知識と熟練をもち、それらを駆使してプロジェクトを計画し、組織し、執行し、コントロールする管理能力を必要とする。(3)リーダーシップ能力;複雑性と専門性をもつのであるから、単にドライブをかけるというのではなくて、各メンバーの信頼感を得て、自発的な協力と熱心さを呼び起こすようなリーダーシップを必要とする。
(4)コミュニケーション能力;プロジェクトの規模が大きくなるほど、調整の役割が大きくなってくる。各メンバーの間の調整ばかりでなく、関係各部門の間の調整を行う必要がる。各部門にはどのような専門家がいるか、誰の援助を得るのが最適かを把握し、その協力を得るための説得や交渉が必要である。さらに、プロジェクトの顧客とのコミュニケーションを密にし、顧客の真の満足を得るようにプロジェクトを進行させていく必要がある。
(5)技術的知識;研究所内部の啓発研究についてプロジェクト・チームを編成するときは、そのプロジェクトについて何らかの技術的知識をもつ人がプロジェクト・マネジャーとして要請される。それに対して、製品開発が進み、試作や試験販売の段階に入れば、プロジェクト・マネジャーは非技術者でもよいし、営業部門からプロジェクト・マネジャーが出ることも多い。コスト・ダウンや新市場開発などの非技術的プロジェクトの場合も、技術知識は不可欠の要件ではない。さらに、プロジェクトの規模が大きくなるほど、管理と調整のウエイトが大きくなるので、技術的知識は必ずしも不可欠の要件ではなくなる。




