販売予測(sales forecasting)
長期あるいは短期の将来の一定期間に対して、販売数量ないし売上高を製品別、地域別、得意先別などに予測するものであり、会社または各事業部の全体の経営計画を作成する重要な前提をなしている。販売予測は、どのような予測の方法をとるにせよ、(1)販売分析、(2)市場分析、(3)経済調査、(4)内部評価によって情報の収集を前提としている。販売分析は、過去の販売実績を月別、季節別、製品別、地域別、得意先別、営業担当者別に検討して、予測の資料とする。市場分析は、市場の潜在力を評価するものであり、何を、誰に、何処で、どのようにして、どれだけ売るかを決定するための情報収集をなしている。大企業では、市場分析を専門に担当する市場調査部が設けられる場合がある。経済調査は、経済成長率や景気動向の分析や予測を行うもので、そのために経済調査部や企画部が設けられる場合がある。内部評価とは、企業の生産能力や資金状態についての情報をさしている。
販売予測の方法は、(1)営業のラインによる予測積上げ方式と、(2)本社スタッフ(営業企画部)による統計的手法とに分けられるが、両者の照合の上で、販売予算の決定が行われるのが普通である。前者は、まず本社営業部から各営業所に対して(1)過去の販売実績、(2)新しい営業方針などの情報を提供した上で、各セールスマンが担当地域の販売予測を行う。それらは、営業所ごとに集計され、それに対して営業所長は調整を行った上で、本社営業部長と各営業所長との間の折衝を重ねた後に、予算委員会で討議され、トップにより暫定的に決定され、販売目標や利益目標と販売予測とのギャップがまず確定されるのである。本社営業部長が各営業所の販売予測を総合的に調整する過程において、次のような本社スタッフによる統計的手法による予測が参考とされる。
(1)時系列分析;過去の販売実績に対して時系列分析を行って、一定の趨勢線を出し、それを将来の期間に投影し、環境や条件の変化によって必要な修正を加える。
(2)需要予測;業界全体の需要予測を行い、それに自社の市場占拠率を乗じて販売予測を行う。
(3)予測モデル;売上高に影響する要因として、可処分所得、人口などをとり、それらの変数と売上高との間の相関関係を分析して、予測モデルを作成し、それによって販売予測を行う。相関分析には、相関グラフや最小自乗法などが用いられる。




