マーケティング環境(marketing environment)
マーケティング戦略の探求にあたって、分析の対象となる環境が、マーケティング環境であり、その変化のなかにマーケティング機会を発見し、それを最大限に生かすためのマーケティング戦略が探求される。マーケティング環境は、多くの部分環境から構成される一つの環境システムをなしている。それらの部分環境のうち主なものとして、人口学的環境、消費環境、文化環境、流通環境などがあげられる。人口学的環境としては、人口の増加率や年齢構成の変化および人口の地理的分布(都市への人口集中)などがある。消費環境としては、所得水準の上昇による消費構造の変化が特に注視される。たとえば、物質的要求が満たされた豊かな社会の顧客は、自分の好みや知識への要求を満足させるような消費者行動を起こす。このような消費者行動が、今日におけるファッション産業や知識産業の成長要因をなしている。また、より快適な生活への志向が強まり、それが家電やレジャー産業の成長をもたらしている。
文化環境とは、宗教、道徳、法律、芸術、科学や伝統などの諸要素からなる社会の複合的産物を意味している。この文化環境に基本的方向づけを与えるのが価値観である。現在は、この価値観の多様化にともなって、顧客の要求の多様化が進展している。最後に、流通環境とは、流通機構を意味している。特に、大量販売を目的とした近代的な大型小売企業の出現と発展は、流通機構に大きな変化をもたらしている。




