マーケティング戦略(marketing strategy)
企業の経営目標を効率的に達成するために、マーケティング環境の変化に対してマーケティングの諸活動を全体として適応させ、マーケティング資源の配分を決定することによって、顧客の増大・創造をはかるとともに、競争上で優位な市場地位を確保(実現)するための決定ルールをマーケティング戦略という。
マーケティング戦略は、企業の経営目標を達成するための一つの手段であるが、経営目標として利益目標のほかに、成長性目標、安定性目標や弾力性目標があることは、注意を要する。マーケティング環境の変化として、顧客のニーズや購買慣習の変化、流通機構や競争環境の変化、経済環境や社会環境の変化などが含まれており、これらの環境の変化のなかに新しい市場機会を発見し、これを最大限に活用することが、マーケティング戦略の課題をなしている。顧客を増大・創造するためのマーケティング資源として、製品の品質、価格、サービス、広告、販売促進などがあり、これらの諸資源の組合せを決めるマーケティング・ミックスの決定は、重要な戦略基準をなしている。顧客の増大・創造をはかるとともに、競争上で優位な市場地位を確保(実現)することが、マーケティング戦略の目的をなしている。
マーケティング戦略は、まず製品差別化戦略と市場細分化戦略に分けられる。前者は、製品を差別化し、広告費、販売促進費の投入によって市場占拠率の拡大をはかる戦略である。後者は、市場を細分化することによって、異なる顧客層のニーズを的確にとらえて、それを満たすためのマーケティング計画を展開していく戦略である。豊かな社会になり、価値観や多様化や個性化が進展するにつれて、後者の戦略が採択される傾向になる。
次に、製品と市場の組合せの観点から、マーケティング戦略を、(1)市場浸透戦略:販売促進や価格競争によって現在の市場への浸透をはかる。(2)製品開発戦略:現在の市場に対して新しい製品を開発し販売増大をはかる。(3)市場開発戦略:現在の製品を新しい市場を開発し販売増大をはかる。(4)多角化戦略:新しい市場を開発し、新しく開発した製品を提供し販売増大をはかる。の四つに分けることができる。
次に、製品ライフ・サイクルの各段階に適応してくためのマーケティング戦略を製品ライフ・サイクル戦略という。製品ライフ・サイクル戦略は、導入期、成長期、成熟期、飽和期、衰退期に分けられる。導入期には、製品の品質の改良、次いで広告に対する売上高の反応がもっとも強い。成長期には、広告に対する反応がもっとも強く製品差別化の戦略が重要である。飽和期には、競争が熾烈化するので、価格に対する反応が強いが、市場細分化による新品種の開発が重要な戦略となる。衰退期になると、コスト・ダウンの戦略あるいは製品廃棄の戦略のいずれかを採択しなければならない。
最後に、マーケティング戦略は、機能別には、(1)製品戦略、(2)価格戦略、(3)配給経路戦略、(4)物流通戦略、(5)プロモーション戦略(広告、販売促進、サービス)などに分けられる。
参照 ⇒【製品差別化戦略】【市場細分化戦略】【製品戦略】【価格戦略】【配給経路戦略】【物的流通戦略】【プロモーション戦略】




