マーケティング・システム(marketing system)
マーケティングの諸活動に対してシステム・アプローチを適用した概念であり、マーケティング・システムは、製品計画システム、販売促進システム、配給経路システム、物流システム、マーケティング管理システム、マーケティング情報システムなどの各サブ・システムからなる一つの全体であり、それはまた企業全体のシステムに対して一つのサブ・システムをなしている。
マーケティング・システムとしてとらえる特徴としては、(1)マーケティングの諸活動を単独活動としてではなく、相互関係のある一つの全体として総合し、調整することによって、シナジー効果を発揮できる。(2)オープン・システムのアプローチをとることによって、マーケティング・システムと外部の経済環境や社会環境との相互作用の関係を重視し、外部環境の変化に対するシステムの適応性を重視する。(3)マーケティング・システムは同時に意思決定システムとしてとらえられることによって、マーケティング目標、マーケティング戦略、マーケティング計画、マーケティング組織、マーケティング・コントロールの各管理過程を統合化する利点がある。(4)マーケティング・システムはたんなる経済的システムではなく、行動科学的システムとみなすことによって、経済学的アプローチをとるだけでなくて、社会学、心理学、生態学などを援用した行動科学的アプローチをとることのできる利点がある。
狭義では、マーケティング・システムは、財またはサービスが生産者から配給業者(卸売、小売)を通じて消費者に配給される配給経路システムとして解釈される。この場合、メーカーと配給業者は、誘因と貢献のバランスによって維持される協働体系とみなされる。
メーカーが配給業者に提供する誘因として、(1)一地域における排他的販売権、(2)融資、(3)共同広告、(4)リベート、(5)経営指導などがあり、配給業者のメーカーに対する貢献として、(1)メーカーの販売目標の達成に必要な設備や人員の充実、(2)販売への協力、(3)メーカーの製品の品揃え、などがある。誘因と貢献のバランスが崩れるとき、メーカーと配給業者との間には、各種のコンフリクトを生じ、系列からの離脱などを生ずる場合もある。




