問題志向的革新(problem-oriented innovation)の用語解説

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用語

問題志向的革新(problem-oriented innovation)

解説

問題志向的革新とは、企業が、目標水準と達成水準との間に業績ギャップ(問題)を知覚し、その問題を解決するために革新が行われる場合をさしている。たとえば、企業の利益目標に対して、現実のあるいは予想される利益の実績が下回り、両者の間にギャップを生ずるとき、問題が知覚される。この問題を解決するために新しい代替案の探求を行う。そして、業績ギャップを埋めることができる新しい代替案の発見、採用によって問題が解決し、探求行動は終わる。この新しい代替案の探求と選択が、しばしば、革新の採用に導くのである。それは、目標水準と達成水準とのギャップが知覚されないで、企業が現状に満足すると、革新行動は不活発となり、惰性化する傾向のあることを示唆している。両者のギャップは、次のようなばあいに、知覚される。
(1)企業は、欲求水準に基づいて目標水準を設定するが、企業の目標水準は、過去の実績値に基づいて常に僅かながら引き上げられて設定される傾向がある。したがって、現状(実績値)と目標水準とのギャップを知覚させる。(2)環境の変化によって、企業の実績水準が落ち込む場合、実績値と目標水準とのギャップを知覚させる。(3)新しい知識の導入によって、企業の欲求水準が引き上げられ、現状に対するギャップが知覚される場合が往々にしてある。この意味で、各スタッフ部門は、新しい知識の導入によって、企業の欲求水準を引き上げ、現状とのギャップを知覚させ、革新行動を引き起こす引き金の役割を果たさなくてはならない。
さらに、革新活動に専門化する研究開発部や製品開発部、あるいは組織開発部などのスタッフ部門を設け、それぞれの部門が革新の目標を設定することによって、問題志向的革新を活発化させる組織運営が必要である。問題解決的革新のなかで、環境の変化によって、ギャップが知覚され、そのギャップを埋めるために行われる革新を「苦境下の革新」(distress innovation)と呼んでいる。それは、組織構造や人事などの組織内部の変革やコスト・ダウンのための減量経営や合理化に志向する傾向が強く、外部の機会を利用した画期的な製品開発などの革新に導くことが少ない傾向がある。
上記のほかに、余剰資源の投入によって生ずるスクラップ革新というものもある。
参照 ⇒【スラック革新

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