予算差異分析(budget variance analysis)
予算差異分析とは、予算と実績と比較し、その差異および原因を分析することをいう。企業予算制度は、予算の編成によって各部門ならびに全体の活動目標が決定されるが、これだけでは不十分であり、企業予算には予算差異分析が不可欠である。予算差異分析の目的は三つある。第一は、次期の予算編成に対して重要なデータを提供する。すなわち、予算実績比較により算出された差異について、見積り違いによるのか経営の非能率によるのかを明らかにし、さらに、何故このような差異が生じたのかを知ることは、次期の予算編成にとって重要な資料となる。第二は、予算差異分析は企業の経営成績あるいは各部門の業績を評価し、さらに責任の所在を明らかにすることに役立つことである。第三は、各部門経営者の予算統制に役立てる目的をもっている。各部門経営者の予算統制が十分に行えるかどうかということは、予算差異分析いかんにかかっている。主要な部門予算の差異分析は、次のとおりである。
(1)販売予算の差異分析;販売数量差異、販売価格差異、販売費差異、販売利益差異を明らかにする。この場合、製品別、地域別、得意先別、営業担当者別などにこれらの差異を分析することが必要である。また、差異原因が外部要因によるものか、経営内部要因によるかを究明することも必要である。
(2)製造予算の差異分析;材料価格差異、材料消費量差異、賃金差異、労働能率差異、製造間接費差異分析などである。これらの製造予算差異分析は、各部門別に行うことが必要である。また、管理可能費予算差異と管理不能予算差異とを区別することが各部門の管理責任を明らかにするために重要である。さらに、操業度差異と能率差異の区別も、重要である。操業度差異は、販売量が予算通り達成できずに生産設備に遊休が生じたために生ずる原価差異である。能率差異は、非能率または、能率による原価差異である。たとえば、原材料、設備や労働の非能率によるものである。また、製品、仕掛品、材料等の過剰在庫からくる非能率も原価差異をもたらす。
(3)財務予算の差異分析;まず、現金収支予算の差異分析がある。これは現金収支に過不足が生じたとき、収入減によるか支出増によるかの原因分析を行うことである。




