役割行動(role behavior)
現代の行動諸科学において役割行動の概念は、社会的体系内の人間行為の分析において最も有用な用具となっているが、この概念は役割(role)という社会学的概念と行動(behavior)という心理学的概念を連結したものである。企業は複合組織体であるが、役割行動の概念は企業の構造(役割)的側面と機能(行動)的側面を記述・説明する変数として不可欠なものとなっている。パーソンズ(T.Parsons)も組織の構造要因の一つを役割としてとらえ、役割とは組織の構成員の組織に対する参加の仕方と規定としている。役割行動の概念が、組織の有用な分析用具となるのは、この概念が古典的組織論の問題とした権限および分業の体系としての組織の公式構造を経験的に取り扱うことを可能にしたからである。それと同時に組織は意思決定、情報処理、コミュニケーションなどの動態的な相互作用の体系であり、役割行動の概念は、組織の相互作用の過程に含まれる動機的、知覚的、行動的側面を操作的に取り扱うことを可能にした。現代組織論および実証的研究は、いずれもこの概念を大幅に活用している。
参照 ⇒【役割理論】




