利益計画(profit planning)
利益目標を設定し、それを達成するために総合的な経営計画を立てていく意思決定活動を利益計画という。利益管理は、利益計画と利益統制からなっている。利益計画に用いられる分析用具の違いによって、次のようなアプローチがある。
(1)ROI分析を用いる方法;ROI(使用資本利益率)は使用資本回転率と売上高利益率の積であるから、前者の向上をはかるために各資産の回転率の向上計画が立てられる。後者の向上をはかるために販売計画や原価低減計画が立てられる。このROI分析は、利益統制の用具にも用いられる。ROI手法の一つとして、利益計画手続がとられる。それは、まず、使用資本利益率目標の設定からはじまり、次いで販売予測を行い、需要への対応に必要な設備計画を立てる。それは使用資本の増加を必要とする。増加使用資本を現有使用資本に加えて、それに目標利益率を乗じて目標利益が得られる。次に、この目標利益を達成するために、販売計画を立てるとともに、製造原価、営業費、一般管理費の原価計画を立てる。同時に、原価削減計画を作成する。
(2)損益分岐点分析による方法;固定費と変動費に費用分解して、損益分岐表を作成し、売上高、費用および利益の関係を明らかにすることによって、目標利益の達成に必要な販売高を計画し、あるいは価格改訂や設備投資が利益に及ぼす影響などを予測し、利益計画を作成する。
(3)損益予算を用いる方法;まず、販売予測を行い、予想売上高から目標利益を差し引いて、許容費用予算を決定し、販売予算、製造予算、資材予算、営業費予算、一般管理費予算などを作成していく方法であり、損益予算が利益計画をなす。しかし、財務計画と利益計画とは不即不離の関係にあるので、企業予算それ自体を利益計画とみなす場合もある。
(4)戦略的アプローチ;この方法は、戦略的計画を利益計画に導入するものであり、まず、利益目標を設定し、環境予測から利益予測を行う。利益目標と利益予測とのギャップを確定し、次にこの利益ギャップを埋めるために、新製品開発、市場開発、コスト・ダウンなどの経営戦略を探求し、評価、選択する。次に、この戦略を実行するための個別計画を立て、その実行計画として予算を作成するものである。それは、環境の変化のなかに利益機会を見いだすことを可能にし、各代替案の探求と評価に重点をおく利益計画の方法である。
(5)利益計画モデル;前述した戦略的アプローチによる利益計画の作成を容易にするために、利益計画のコンピュータ・モデルを作成する方法である。どのような経営戦略を選択すれば、利益にどのような影響を与えるかを利益計画モデルのシミュレーションで、きわめて短時間に評価し、目標利益を達成できる代替案を選択することができる。
参照 ⇒【目標利益率】【損益分岐点分析】【戦略的経営計画】




