ラッカー・プラン(Rucker plan)
ラッカー・プランとは、1932年にラッカー(A.W.Rucker)によって考案された付加価値分配制度である。その特徴は、成果配分による経済的刺激の制度と従業員の経営参加、労使協力による非経済的なモチベーションとを結合させたところにある。従業員への成果配分は、企業の売上高から外部より購入した用役(原材料、部品、外注加工、動力など)の購入費を差し引いた残りの付加価値(生産価値と呼ばれる)を基礎にして行われる。過去のデータから一定の労働分配率(人件費÷付加価値、趨勢的にみると、一定する傾向がある)の標準を決定し、次に毎月の生産実績から付加価値を算定し、それに上述の労働分配率を乗じて労働分配分を確定する。そしてこの労働分配分から前払いの確定給与を差し引いた残額が、その月の従業員の増分成果となり、それは期末に固定賞与額に付加して特別賞与として支払われる。このラッカー・プランは、日本の中小企業にかなり多く採用されている。
従業員の生産性向上の成果と労働分配分との間には直接的、比例的な関係がおかれるために、従業員全体のモチベーション効果は大きい。ラッカー・プランは、単にこのような経済的刺激制度を意味するばかりではなく、職場における従業員の経営参加を通じて自己発現の欲求を満たし、さらに労使協力を実現することである。その中心となるのが生産分配委員会であり、従業員、職長、管理者の代表と労働組合の代表から構成される。そこでは、毎月の付加価値向上目標を設定し、さらに原材料のムダの排除、品質の向上、作業の合理化などについての従業員の提案を検討し、実施に移すかどうかを決定し、トップの経営者承認を得るものである。




